ヒペリカム、ヒペリカム。
みなさんこんにちは、
茶豆和菓子(ちゃまめわかこ)です。
世界は新型コロナウイルスで
騒然としていた中で、我が家では
父が亡くなり、
マスクやアルコール消毒という
「新しい生活様式」に加えて、
花をお供えすることが
新しい日常になりました。
(父の闘病については過去記事をご覧ください)
季節の移ろいにあわせてお花を選ぶのは
とても心が癒されます。
お花の水を替えてあげるのは、
当時新型コロナの影響でお見舞いにも
満足に行けなかった父に
服や頭を洗ってあげたり
顔を拭いてあげたりしているような
気持ちになって、それもとても癒されます。
私は車椅子なので、日頃から庭仕事もできず、
土いじりや植物のお世話とそもそも縁がなく、
しかもそういうガーデニング系は
もっぱら母の得意分野で
すっかり頼りきっていたので、
これを機に
花を傷つけないように丁寧に触る、という
ド初歩の初歩から教わっている状態です。
えへへ。
そんななかで、初めて知ったお花があります。
お花といっても、
実を鑑賞することがメインらしく・・・
たしかに何度お花屋さんで買っても、
いちども花を目にしたことは
ありませんでした。
ピンクの実が可愛いけど全容が分からない、
ちょっぴりミステリアスな植物だなぁ
と思っていました。
その植物は、ヒペリカム、といいます。
かわいい。
もう音がかわいい。
外国語や言葉の語源を調べるとこが好きな
言語ヲタの私は、
なぜこの花をヒペリカムと呼ぶのか、
そもそも何語なのか。
意味は何なのか、
音節はどこで区切るのかなど、
頭の中が疑問でいっぱいになりました。
ヒ・ペリカムなのか、
ヒペ・リカムなのか?
いやいや、意外と
ヒペリカ・ム
とかだったらどうする!?
そんでもってこの短い名前に
「川の流れの果てに咲く花」とかいう
やたら長い意味が込められていたら
どうするよ!?(笑)
さっそく調べてみました!
【ヒペリカム】
科・属名:オトギリソウ科オトギリソウ属
学名:Hypericum androsaemum
和名:ヒペリカム・アンドロサエマム
別名:小坊主弟切(コボウズオトギリ)
英名:Tutsan
原産地:ヨーロッパ西部~南部
英語では
Tutsan(トゥサン・・・でしょうか?)
私たちが植物の名前として
ヒペリカムと呼んでいるのは
学名の Hpericum の部分だということが
分かりました。
そして Hpericum はギリシア語の
Hyper(ヒペール:上に)
eikon(エイコン:像)
の2語が合わさって
語源となっていることが分かりました。
魔除けの像の上に咲いていたことからと
言われています。
へぇ~、
どんな像の上に咲いていたんでしょう・・・
さて、私は冒頭で、いちどもその花を
見たことがないと言いましたが、
じつは今回ヒペリカムの話を
書こうと思ったきっかけは、
語源の話に加えて、
なんと、
買ってきたヒペリカムの花が
咲いたからなのです!!!
最初は蕾がまんまるだったので、
ひとつの枝に
ピンクの実と黄色い実がつく
めずらしいヒペリカムなのかしら?
なんて思ったのですが、
それがだんだんと綻んで
ある日パッと咲いたときの
驚きといったら・・・!
はうぅあぁ~~~~~
かわいいい~~~~~~~!
ピンクの実に
鮮やかな黄色い花・・・!
まるでメルヘンの世界から
飛び出してきたかのようです!
( *´艸`)きゃわわ~
父もめずらしい花を見ることができて
喜んでるかな・・・
と、語源を調べるついでに
花言葉を調べて、ハッとしました。
「きらめき」
そして、
「悲しみは続かない」
その由来は、キラキラと輝くような
鮮やかな色の花や、
その花が散ってもすぐに赤やピンクの
可愛らしい実をつけることからとも
言われています。
そういえば、と思い出しました。
父が亡くなってすぐの頃。
母と一緒にお花屋さんに行って
「これ・・・いいね」
「うん、パパって、こういう
実がなる植物好きだよね」
と、悲しみですべてがどうでもよく
感じられる中で、
これはどうしても買わなきゃいけない
みたいな不思議な気持ちに
突き動かされたのでした。
それからというもの、お花屋さんに
ヒペリカムがあるときは
ほぼ必ず購入しています。
そう、あのときは
まるで透明になった父がここにいて、
「お!これカワイイじゃん!」
と、はしゃいでいる声が
聞こえてくるようでした。
悲しみは続かない。
父が私たちに伝えたかったのでしょうか。
((俺が死んだからって
いつまでも泣いてばかりいないで、
きらめきを見つけて楽しく生きなさい、
だって生きてるんだから。
・・・ね?))
ヒペリカムの花を見ながら、
そんな声が、聞こえたようでした。
魔除けの像の上に咲いていたヒペリカム。
花言葉を知ってからというもの、
これは私の魔法の呪文になりました。
悲しくなったり、
泣きそうになったら、
心のなかで唱えるのです。
だって悲しみは続かないのだから。
きらめきを見つけたら、
また笑顔になれるのだから。
さて、悲しいけど
今日もごはん食べて生きるかぁ~~~。